2024/05/24 18:53
ファンタジスタクライミングは、ブランド開設から今日まで、日本国内でのモノ作り“メイドインジャパン”に重きを置いてきました。
がしかし今期、幅を広げて海外生産のアイテムを発売する事となります。
日本製という事は、日本に住む誰かが縫製しているという事。
それはシンプルに、日本の職人に仕事があるということです。
日本で供給された衣料品のうち、1990年には50.1%あった国産品の割合は、
生産拠点がアジアに移り出した90年代半ば以降減少に拍車がかかり、2022年には1.5%まで減少しています。
職人たちの高齢化と後継者の減少による深刻な人手不足もあり、原材料・燃料などの高騰により原価が高騰してしまう情勢もあり、一筋縄にはいかない問題が多岐にわたりますが、
じゃあ「国内で作るのが難しいからやらない」と、日本のアパレルメーカー(大なり小なり)みんながそうなってしまうと、
職人の仕事がさらに減り、生活の維持が難しくなり、技術も経験もある職人が「しかたない、転職するか…」となってしまうのがリアルなところ。
ファンタジスタクライミングは、本当に小さな小さなブランドですが、
クライミングを通して、メイドインジャパン製品を作り・発信することで、
自分の今までとこれからの仕事が、1ミクロンでも何かの為になると信じて取り組んで参りました。
一方で、クライミング業界から世の中を見れば、
為替の影響も色濃く、シューズを始めとしたクライミングギアの価格が激しく高騰して、クライマーの生活を脅かしつつあります。
予算の問題だけじゃないかもしれないけど、クライミングパンツではないパンツを着用して登っているクライマーも沢山...。
もっと沢山のクライマーにクライミングパンツを履いてほしいなぁ、
ファンタジスタのパンツを手に取って頂きたいなぁ、
クライミングパンツ履いた方が登りやすいし、かっこいいぞ!というのを広めたいなぁ、
と、常日頃から考える日々。
そこでまず、入り口として、今までよりもいっそう手に取りやすいアイテムを作ることを閃き、“エントリーモデル”と位置付けた商品開発に、水面下で挑戦しておりました。
いっそう手に取りやすいアイテム=デザインと価格。
それを実現するために、生産を海外に広げて生産数を多く作ることで実現の道が開けました。
ファンタジスタクライミング基本の「登りやすくて・普段も履けてカッコイイ・快適便利」という拘りはそのままに、
培ったデザイン力・技術を盛り込んで生まれたエントリーモデル。
クライマーを次のステージに押し上げる!をテーマに“Booster Pants”と命名し、エントリーでありながらハイエンドに履ける一本に仕上がりました。
また一歩、ブランドとして幅を広げられたのではないかと自負しております。
今回の新商品の反響次第でもあるけど、今後ももしかしたら手に取りやすいアイテムが登場するかもしれません。
しかし日本の生地・日本の縫製で生み出された“メイドインジャパン”も、もちろん続けていきます。
コスパ重視の消費だけではなく、どこで何にお金を落とすか、品質と背景にも目が向く消費が広がったらいいな。
つまるところ、ぜひ日本の製品も愛してください♡
長い文章を、最後まで読んでくださりありがとうございました。